ランチ 5点セット¥1,050笹巻き けぬきすし小川町/御茶ノ水
やって来ました「
笹巻きけぬき寿司」。「けぬき」を検索すると、毛抜きで魚の骨を抜いた寿司、と出てきます。鯛の小骨だけは酢でシメても柔らかくならなかったそうです。ここの寿司はかなり強く酢でシメているそうです。それを笹で巻いたので笹巻き。想像ができないので、食べてみようと思います。
こちら、創業は1702年(元禄15年)というから今から300年以上前のこと。何という歴史的寿司。現在は13代目が営んでいるそうです。
江戸時代の毛抜きってどういうものなんでしょう。とにかくいただいてみます。

店内は、会計カウンターで折り詰めの販売をしていますが、テーブルが3卓あって店内でもいただけます。店内でいただく場合は「
ランチで」と申請します。
ランチは、その日によってお寿司も丼もネタが違うようです。さて今日は…。
約5分ほどで配膳されます。かなり豪勢な御膳ですよこれは。メインは
海鮮丼。今日は煮穴子、かんぱち、中おち。
江戸っ! 笹巻き寿司は、かんぴょうと卵。それと野菜の煮付け、お新香、お吸い物。質素な印象もあるし豪華な雰囲気もあります。粋、雅、侘、寂…すべての要素を含んだお膳です。

のり巻きと卵焼き 笹巻き寿司、可憐です。巻かれたバスタオルをやさしく外してあげました。大げさなボディは現れず、しとやかなその姿。特に卵巻き。甘くも塩っぱくもない、朴訥とした味。はい、私が卵ですが、何か? といわんばかり。卵焼きの本来の姿ですね。これが「粋」な味なんでしょうね。
海鮮丼。
江戸前。美味しいです。カンパチも穴子も、毛抜きされたんでしょうね。本来これらの白身は寿司に使われるのでしょうが、ここでは裸で勝負です。
そして穴子。いいタレ。フカフカな蒸し穴子です。思わず目をつむってしまう猫のように、私も瞼を閉じていました。うーん。美味い。なんという贅沢な丼ぶり。中おちがオマケに見えるほどです。その中おちだって美味しいんですよ。


なんと豊かなランチでしょう。心が豊かになるんです。笹に巻かれて恥ずかしそうなけぬき寿司も、恐縮した盛りの丼ぶりも、いいお出汁で煮た野菜も。
江戸の粋を現代まで継承する、しかし雅なランチ。しかも、価格が1,050円。消費税8%時代に、1,080円ではなくあえて1,050円。これが「粋」なんです。参りました。ごちそうさまでした。
最寄駅 都営新宿線「
小川町」(千代田区)
衛生感・落ち着き度 7
価格設定の適正度 8
料理の味・誠実度 7
好き度・リピート感 7
笹巻けぬきすし総本店 (寿司 / 小川町駅、新御茶ノ水駅、淡路町駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0