いり豚¥580水口食堂浅草夫「ただいま。
水口食堂で食べて来たから。1950年からやってるお店なんだよ」
嫁「意味わかんない。私の作る食事じゃだめってこと?」
「いやいや、味じゃなくて。ウチとは献立が全然違うんだ」
「何を食べて来たってうのよ」
「まず、まぐろぶつ切さ」
「そんなのいつも私買って来てますが」
「…そうだけど、水口のはいい部位なんだよ。あとポテサラ」
「普通すぎる… それも買って来てますが」
「ここのは自家製で卵が多めなんだよ。タルタルに近い感じさ」
「何が『感じさ』よ。ウチでも食べられるでしょ」
「だから卵が…。あと、これはウチでは出てこない料理さ。いり豚」
「何それ。私がつくる生姜焼きと何が違うのよ」
「ソースがハヤシなのさ。ちょっとしたスパイスと酸味が効いてるんだ」
「あんたハヤシあまり好きじゃないでしょうが」
「それは「しょうが」焼きとかけてるんだね。あと、肉は数枚しかなくてほとんど玉ねぎなんだ」
「損してるじゃないの」
「玉ねぎをさげすむものではないよ」
「あんたをさげすんでるのよ」
「次に食べたのは、ホタテフライだよ。今日はお店がホタテ推しだったんだ」
「ホタテをなめるなよ」
「殻焼きや刺身もあったけど、あえてフライさ」
「それはなぜか、聞いてほしいわけ?」
「いや。ウチは揚げ物が出ないからね」
「しないわ。油がはねた時の熱さを知らないんでしょ。しないわ」
「しかも半分に切って出してくれるんだ」
「しないわ。ホタテを半分に? しないわ」
「あと鶏の唐揚げも食べたさ。揚げ物はウチでは出ないからね」
「しないわ。「坪木屋」の唐揚げの美味しさを知ってるでしょ。しないわ」
「唐揚げも半分に切ってある、この気遣いさ」
「しないわ。肉汁が出ちゃうじゃないの。半減だわ。しないわ」
「これで
水口食堂に行く理由が明らかになっただろう?」
「何で私の気分が悪いかわかってる?」
「あれ?」
「どうして声をかけてくれなかったかってこと。1人で行くんじゃないわよ」
「ああ…。そうか。(でも1人で行きたかったんだよ。そしてこれからもずっと)」



まぐろぶつ切 ¥700
活ホタテフライ ¥630最寄駅 都営・メトロ・東武「浅草」(台東区)
衛生感・落ち着き度 5
価格設定の適正度 7
料理の味・誠実度 7
好き度・リピート感 8
「
食事処 酒肴 浅草 水口」ホームページ CLIC → http://asakusa-mizuguch.main.jp/
浅草 水口食堂 (定食・食堂 / 浅草駅(つくばEXP)、浅草駅(東武・都営・メトロ)、田原町駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.9