肉なべ¥1,250柿島屋 かきじまや町田 さて、
町田。俺にとっては縁遠い街。駅前はHANDSに109にルミネにマルイと、大都会の様相だ。ベッドタウンから東京屈指のマーケットへと変身し続けている。
今日は創業1884(明治17)年、130年以上の歴史をもつ「
柿島屋」に訪れた。駅から歩いて4分ほど、マンションの1Fだが中に入ると広い大箱で老舗感が漂う。
孤独な俺にしては珍しく次に約束があったので、酒が飲めないのが本当に残念だ。そういう献立のお店だった。
馬刺、
桜鍋、煮込み…馬天国だ。今日は、お米に合わせるしかない。
まず「肉皿(煮込み)」。おっほー、やわらかい。…コホン。いい料理だ。なぜ酒なしでこれを食べなければならないのか。何をやってるんだ俺は。別注文の生卵にどっぷり浸けて、ああこりゃこりゃ。美味いじゃないか。
そして「
桜鍋」。ここはハードボイルドに「並」でいいんだ。ねぎ、しらたき、豆腐、白菜。いい脇役たちだ。割り下は甘めだ。琵琶湖のほとり、近江の牛すきに近いアレだ。ぼやぼやしてると店員から「そろそろ裏返して」とアドバイスが飛ぶ。ああ、わかったよ。今そうしようと思っていたところさ。なんなら煮えてなくても生でいただきたいところだったのさ。
どうれ、喰うか。お、おうふ。馬っ。美味いっ。俺の心を柔らかく包んでくれる、お馬さんたち。胃袋がいなないてるぜ。鍋から一匹一匹引き上げて、その赤い肌を舌にのせる。美味しいイーーン。…しまった、心の中じゃなくて本当に叫んじまった。だって、美味いんだモン。あれ、言葉が…。ゲシュタルト崩壊。
柔かな肉を卵につけてご飯にのっけて喰う。ねぎと豆腐を卵につけてご飯にのっけて、喰う。単純な作業だが、今この瞬間において世界で一番幸せな所作かもしれない。
桜鍋、馬は俺をどう思っているか知らないが、俺はお前が好きだ。
次の予定地、相原の地に立つ。歩いていると、馬牧場があった。何と奇遇な。遠くから、純朴なまなざしで俺を見ている馬たち。…もしかしてバレたか? 臭いか?



肉皿(煮込み)¥550
最寄駅 JR横浜線・小田急線「町田」(町田市)
衛生感・落ち着き度 8
価格設定の適正度 8
料理の味・誠実度 8
好き度・リピート感 9
「柿島屋」ホームページ
CLIC → http://www.kakijimaya.com/柿島屋 (馬肉料理 / 町田駅)
昼総合点★★★★☆ 4.2