かつ丼(並)¥620大衆食堂 若名ときわ台板橋区前野町付近の「暗渠」や「谷」を見つけながら散策していると、こんなところに!? という住宅街に大衆食堂ののれんを見つけました。谷として落ち込む直前の高い部分に位置し、このお店から旧出井川に向けて北東に急角度で道が落ち込んでいます。この落差はおそらく急流の渓谷だったのではないでしょうか。その話は後にして…。
こんなところに!? のれんに隠れてますが、引き扉には「
ランチ 540円」とだけ書かれた紙。むう。入ってみましょう。
カウンター8席、テーブル3卓12席の小さなお店です。しかし! カウンター内の厨房から伝わる熱気が凄まじい。せっかくなのでカウンターに座らせていただき、その料理する姿をライブで楽しませてください。
今夜はジャパンラグビーが強豪サモアと対決です。勝利を祈念して「かつ丼」を注文しました。
他のお客さん達はもれなくビール瓶を傾けています。作業着の仕事中の方も…今日は半ドンでしょうか。カウンターの上には、おそらく「
ランチ」のおかずがズラリと7〜8枚置いてあります。
ランチ、と一言注文すればそれを取ってすぐにいただけます。しかし今日のお客さんは後から入店する方も誰も
ランチを注文しません。そりゃあ、あの壁メニューを見れば他のものも食べたくなるわ、という感じのメニューの豊富さ。なので、ご主人、厨房で大忙しです。ご多忙の折、時間のかかる料理を注文してしまって申しわけありません。
しかし、ご主人と女将さんの気力が半端ではありません。次々と襲いかかるオーダーを、アスリートのような俊敏さで作り込みます。また手際が良い。同時に親子丼チキンライス生姜焼きミソラーメン唐揚げかつ丼と、次々に鍋を変えパンを変え炎を調整し調味料の補充も行い味見をしながら、どんどん料理を配膳していきます。特に生姜焼きの時は炎が高く上がり、迫力満点。ご主人の気迫と炎がぶつかりあい、まるで「料理の鉄人」さながらです。
ようやくかつ丼が配膳された頃には、見ていただけの私も少し疲れていました。さていただきます。つゆだくのかつ丼です。ネギ、卵、かつのオフェンシブコンビネーションに思わずうなり声が出ます。汗をかきながら、ご主人の気迫に負けないよう、一気に気合いでかき込んでいきます。ってこれ、620円でいいのか?と思いつつ、ジャパンの勝利を祝ってがっつり食べ終えます。ああ美味かった。
ご主人は、少し時間があくとお客さんに気さくに話しかけています。このメリハリが魅力で、この繁盛につながっているのでしょう。女将さんも元気一杯。いろいろな活力をもらって、ごちそうさま。
さて、谷を下っていくと、昔は川が流れていたであろう石積みを発見。散歩はこれだからやめられない。



最寄駅 東武東上線「
ときわ台」(
板橋区)
訪問時間 12:00
待ち時間 0分
衛生感・落ち着き度 4
価格設定の適正度 10
料理の味・誠実度 7
好き度・リピート感 8
若名大衆食堂 (定食・食堂 / ときわ台駅、志村坂上駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.9