アリゴの「アリゴ」¥450ビストロ アリゴ神保町築60年の
古民家をそのまま利用した
骨太フレンチ「ビストロ アリゴ」。元は
氷屋の建物で、表にはまだ「氷 三亀商店」の看板が掲げられています。オーナーは食事を提供しながらも本来の目的はこういう建築文化を後世に残して行く事だと熱く語ってくれました。欄間もペンダントライトも当時のまま。テーブルなどの調度品にも気を遣っています。
また、新鮮さで勝負しているため、冷凍庫は小さいのがあるだけでほとんど使用していないそうです。
氷屋なのに。毎日仕入れには力をいれているようです。
メインの1Fは立ち飲みスタイル。造りは
氷屋のままなので、土間です。カウンター越しにシェフの調理する姿を楽しめます。今回は2Fへ上がることができました。1Fのカウンターで調理を見ながら呑んでもらうのが趣旨なので、あまり2Fは勧めていないそうです。
畳敷きのほの暗い室内で、窓からの風の揺らぎを感じながら、みなさんワインをたしなんでいます。土間や畳は落ち着きますね。料理は、高級フレンチではなく、目指しているのはフランスの家庭料理。家族で団らんを愉しむ雰囲気です。なので、アテはすべて安価です。アテとは言わないか。
イチ推しは「アリゴ」。マッシュポテトと生クリームで造られたパテ状のものです。これをバゲットといただきます。なるほど素朴で、家庭的な味がします。美味しいです。魚料理、肉料理、野菜料理何でもあります。本日のHOT鮮魚料理は、クロムツのフリット。自家製タルタルが添えられます。野菜は、オーブン蒸し焼きを注文しました。ホクホク。茄子、パプリカ、サツマイモ、ジャガイモ、ししとう、ズッキーニ、にんじん、玉ねぎ、かぶ、ヤングコーン。多彩です。
豚のタンも、まったく臭みなどありません。上等な料理です。香草とパン粉がよく合っています。美味しいです。
予約なしで入れたのは偶然で、普段はリザーブをしないと厳しいようです。次はカウンターでチチッといただいてみたいです。
木造建築は、使っていれば朽ちることなく年輪を重ねていくことができます。豪商が住む建物のように高等技術が集約されているわけではありませんが、こういう商と住が一体となった商店建築は古来からの日本の生活そのものが観察できる貴重な資料です。こういう文化財が、二度と戦禍で失われる事がないよう、平和を祈念します。

茹で豚タンの香草パン粉焼き ¥680
野菜のオーブン蒸し焼き ¥600 氷屋の看板が今も残る最寄駅 都営・メトロ「
神保町」(千代田区)
訪問時間 17:00
待ち時間 0分
衛生感・落ち着き度 7
価格設定の適正度 7
料理の味・誠実度 8
好き度・リピート感 8
ビストロ アリゴ (フレンチ / 神保町駅、新御茶ノ水駅、御茶ノ水駅)
夜総合点★★★★☆ 4.2