天竜峡 黒豚 ハーフ¥980萬房長野県飯田 暑い飯田の夜。二軒目は「りんご並木」に面した全面ガラス張りの洒落たファサードで営業している「
萬房」さんです。入り口はりんご並木沿いではなく細い路地に入ったところにあります。
1947(昭和22)年に飯田市は大火に見舞われ、市街地の7割ほどが消失するという大災害となりました。復興の際、札幌の街路樹を参考にしながら、「防火帯」として、また復興のシンボルとして名産であるリンゴの木による街路樹を造り、それが「りんご並木」として現在は街の顔となっています。またその際、「裏界線」という2mくらいの細い路地を区割りと平行して設け、避難通路が作られました。この避難通路にお店の入り口があります。
2階にはテーブル席があるようですが、1階のカウンターに座しました。目の前のライブな厨房ではマスターが調理を仕切り、奥の厨房でも数人が調理をしているようです。
地元・長野産の肉や野菜にこだわった料理が多く、オーダーは迷いますね。まずは地酒「大信州」を飲みながら、オーダーを考えましょう。
ご年配ですが入店してまだ日が浅いのでしょうか、特に違和感無くオーダー対応して下さいましたが、厨房の奥でマスターに聞き苦しい言い方で叱られているのが聴こえます。いろいろあるんでしょうが、客としてはちょっと困りますよ。
しかし皆さん元々のお人柄はよろしいようなので、その場面を除けば居心地は良かったですよ。
「地物 アスパラの天ぷら」¥580
ホクホクで柔らかいですね。そして、甘い。いいアスパラですね。ウチにもたまに北海道から産直でアスパラ届いてこれも甘いんですが、このアスパラも負けていませんよ。甘いので、塩がよく似合います。で、酒が進みます。


「活〆 うまづらはぎ 肝醤油」¥1,080
超内陸部でありながら、魚が新鮮で美味しいお店が多いのはなぜでしょう。これもいい歯応えで、肝も美味い。発泡箱の中で自然チルドのような状態で保存されていました。山間部でいただくうまづらはぎ。オツですね。

「天竜峡 黒豚 ハーフ」¥980
天竜峡黒豚? 初めて聞きました。ハーフなのに、あんなに厚切りしてくれるんですか? 網に乗せられました。それ、ウチのですよね。ホントにハーフ?
やった。ウチのでした。平皿に上品に盛られています。クワイと茄子焼き添え。ちょこっと味噌が添えられていますが、相当辛いらしいです。唐辛子が見えますからね。地元産オリジナルの豆板醤ですね。
さて、肉は…甘いっ! 美味い! 特に脂身が甘いです。赤身部分は柔らかくて食感はマグロステーキに似ています。ホロホロといただけます。
市場には出ないお肉だそうですよ。天竜峡の手前にある養豚場で育てられているこの豚は、一ヶ月に6頭しか出荷しないそうです。今村さんという生産者だそうです。今村さんの養豚場は化学飼料を使わず有機飼料で育てているそうです。6頭のうちの4頭がこちらのグループで入荷しているそうです。ほぼ独占ですね! うーん、美味い。こんなに爽やかな脂身はなかなか出会えませんよ。


野菜や牛も食べてみたかったのですが、今夜はこの辺でお勘定をお願いします。飯田の洒落てる
酒場「萬房」、料理も充実のオトナの
酒場でした。ごちそうさまでした。
最寄駅 JR飯田線「飯田」(
長野県飯田)
衛生感・落ち着き度 8
価格設定の適正度 7
料理の味・誠実度 7
好き度・リピート感 6
萬房 (居酒屋 / 飯田駅、桜町駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.7