★殿堂メニュー鴨、大麦、ポルチーニ茸のミネストリーナリストランテ フィオッキ祖師ケ谷大蔵 今夜はちょっと背伸びして祖師ヶ谷大蔵「リストランテ
フィオッキ」さんにおじゃましました。店内は暖かい雰囲気で家庭的な空気が漂います。さすが名店、照明のルクスが絶妙です。ウェイトレスさんも対応が丁寧です。


予約時に「
ヴァルド派の郷土料理コース」でお願いしました。その
ヴァルド派について説明がありました。中世のイタリア、小さな町で宗教的相違による迫害を受けた
ヴァルド派は北イタリアの山岳地帯の渓谷に追いやられ、住み着いたそうです。素朴ながらイタリアの原風景を想像させてくれる料理が期待出来そうです。
また、オリーブを育てる文化がないので、料理にオリーブオイルは使わないそうです。

「バーニャカウダ」
なんだこのソースは! これは美味い! いきなりこうきたか。クルミ油を使用しているそうです。このソースだけでビール一本いけます。

「鰻とパプリカ、赤ワインのテリーヌ、ハーブのサラダ」
ハーブたっぷりです。ちょっと苦手な葉っぱもありますが、カンゾウのパウダーとハチミツが助けてくれます。

「信州鱒のコンフィ パンチェッタ巻き、胡桃オイルとフランポワーズヴィネガーのマイオネーゼ」
信州で時間をかけて育った鱒だそうです。身が引き締まっています。マヨネーズ、おいしいですね。

「鴨、大麦、ポルチーニ茸のミネストリーナ」
なんだこのスープ! 芳醇な香り! 香りだけで日本酒一合はいけます。キノコの香り、甘い大麦、そして柔らかい鴨肉。毎日昼ご飯はこれだけでOK。究極のダイエットフードかも知れません。ミネストローネの概念、覆りますよ。これは美味い。

ソムリエがワイン初心者の私にもすごく丁寧に1本1本説明して下さり、おいしいワインをいただくことができました。白も赤も、お好み通りに提供してくれます。ワインて、美味しいのは美味しいんですね。



シェフの堀川 亮 氏が挨拶にきてくれました。堀川シェフ、美味しいですよ、美味しいですおー!
「岡山の山羊のチーズのニョケッティ、野菜のインティンゴロとタイムバター」
コロッとしたニョッキと野菜が、チーズなどで和えられた料理です。説明は受けたのですが、一体想像がつかない料理です。ただただ、とにかく美味しいだけです。こんな食感なかなかないですね。味の解説は無理です。美味いっ! 以上。

「スッパ・バルベッタ」
ヴァルド派が住んでいるピエモンテ州の「ズペッタ」という料理です。スッパは、この地方の方言で「豚のスープ」、バルベッタは「短いひげ」。グリッシーニ、キャベツ、チーズなどを層にしてグリルしたものです。長~いグリッシーニの見た目から「豚のヒゲ」とも呼ばれているそうです。グリッシーニとはパンの一種らしいですが、パスタかマカロニのような質感です。
スープということですが、グリッシーニが全て吸ってしまい、液状ではありません。ナツメグが大量に使われていて、人の1年分のナツメグをこの一皿で消費できます、とのことです。しかしナツメグの味は前面に出しゃばらず、複雑な香りのソース?スープ?です。キャベツがいい味出してます。これももちろん美味しい!

「仔羊の藁包みロースト、
ヴァルド派の農家料理」
キター、豪快な肉料理。ほぼ生肉の様相です。家庭のストーブの火でじっくりじっくり時間をかけて藁包みで焼いた、というより炙った
羊肉です。傍のココットには灰が入っていて、中からポテトが丸のまま出てきました。これもじっくり熱を加えているそうです。
ヒツジ、美味い!表面は熱で焼けていますが、中まで火が通っていないので、レアです。骨も手で持ってしゃぶりつきます。まるで獣のように肉に食らいつきます。「はじめ人間ギャートルズ」の「マンモスの肉」を思い出しますね。白ワインから、またビールへ乗り換えます。これ、ビールでしょう!




「ドルチェ」
柚子づくしのお口直しです。アイスと果実のブレンド。柚子はちょっと苦手なので、顔を酸っぱくさせて食べきりました。
「ペッリチェ渓谷の情景」
標記の品名で提供されたのは、
山羊のミルクのビアンコマンジャーレ、木苺、ブルーベリー、ヘーゼルナッツのジェラードとプラリネ、甘草(カンゾウ)のシロップ煮。険しいながらも生き生きとした生活の場「ペッリチェ渓谷」を表現した荒々しいデザートです。

「小菓子とカフェ」
エスプレッソと共に小さなシューが。すでにお腹一杯なのですが、頑張っていただきました。基本的に、スウィーツは私には不向きな料理なんです。飲兵衛なので、甘いお菓子はちょっと…ね。
いやあ、お腹いっぱいです。フレンチやイタリアンのコース料理でお腹一杯になることは珍しいのですが、おそらく原因は、生の
羊肉をしゃぶり尽くして満足した後にボリュームあるデザートの3連発、だと思います。
特筆は、ミネストローネ、スッパ・バルべッタ、仔羊の藁包みロースト。とりわけミネストローネ。これは美味かったなあ。もっと食べたいなあ。
サービスもさすがでした。ウェイトレスもソムリエも、声がいいんです。なんとなくうっとりしてしまいました。
ヴァルド派の郷土料理、堪能しました。満足! わざわざお見送りしていただいた堀川シェフ、ごちそうさまでした。美味しい夜、いい記念日となりました。

最寄駅 小田急線「祖師ケ谷大蔵」(世田谷区)
衛生感・落ち着き度 10
価格設定の適正度 8
料理の味・誠実度 10
好き度・リピート感 7
「Fiocchi」ホームページ
CLIC → http://www.fiocchi-web.com/index/フィオッキ (イタリアン / 祖師ケ谷大蔵駅、成城学園前駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5