ラーメン¥530進来軒千葉県
穴川 日本の
醤油ラーメン発祥と云われる「浅草 来々軒」は3代でその幕を閉じてしまい、私は食べた事がありません。しかしその3代目のもとで10年ほど来々軒を支えた方が、
千葉で同じ味を継承し続けていると聞き、正月早々訪れてみました。現在、来々軒直伝の醤油
ラーメンはこちら「
進来軒」と「祐天寺 来々軒」しか提供していないようです。貴重な血統です。
カウンターへ案内されました。女将さんは、他の客に対しても、カウンター席に案内することを申しわけなさそうに応対しますが、そんなこと決してありません、カウンターがいいんですよ。間近でご主人の舞を拝見できるんですから。注文はもちろん「
ラーメン」にします。しかし…魅力的な献立が沢山ありますねえ。隣の客の茄子ピーマン肉炒め、向こうの客のチャーハン、テーブル客の天津飯…。一瞬間迷いましたが、ここは
ラーメンで! 鬼の形相でオーダーを伝えます。
店内は客足が途絶えず、ご主人と女将さんのお2人が絶え間なく動き回っています。お二人の無駄の無い動きと息の合った流れるような仕事ぶりに、しばらく見とれていましょう。
待つ事12分ほどで配膳されました。熱い丼ぶりを両の手でしっかり持って置いてくれます。熱いだろうに、プロですね。おお、これが、「ラーメン」か。全ての醤油ラーメンの原点か。感激。
線の細いメンマ、場を和ませるうずら卵、牙城を守る朴訥な叉焼、そして主役の椅子に座する女神のナルト。鮮やかなブライトトーンのブラウンスープから、恥ずかしそうに顔を見せているのはストレート細麺。一子相伝(ではないが使ってみたかった)の直系ラーメン。一糸乱れぬど真ん中直球ラーメン。心して、いただきます。
スープ。醤油の甘みを感じます。鶏、カツオの風味。自然食材から滲み出た脂。参りました。逃げも隠れもしない、ド直球。駆け引きゼロ、ド真ん中勝負。「普通」の何が悪い。「スタンダード」という個性。どんな流行や時代のうねりにも流されることはない、期待通りのスープ。嗚呼、美味い。
麺。歯応えバツグン。防腐材・調味は無添加。ストレート形状。江戸っ子が蕎麦をズルズルっとすする、あの食べ方が一番むいています。小池サンが食べる、あの食べ方です。
ナルトはモチモチ。味が染みたやさしい叉焼。ううーん。美味しい。あの人気ラーメン屋の味も、あっちのコッテリチャッチャ系も、みんなここから来てるんですか。感慨深いです。
もし、来々軒のことを知らずにこのラーメンをいただいていたら、自分はどんな感想を持ったことでしょう。おそらく、味に関しては「普通」の評価だったと思います。あまりにも典型だからです。しかし、チャーハンに付いてくる「中華スープの素」みたいなスープと同じスープでラーメンを提供するその辺の中華料理屋とは明らかに一線を画す、深みのあるスープです。このなんだか深みのある「普通のスープ」が、醤油ラーメンの原点だという事実は紛れもないので、その稀少性と、後世への貢献度を踏まえて、高く評価したいと思います。
ご主人、女将さん、ありがとうございます。益々お元気で、醤油ラーメンを提供し続けて下さい。私は遠いのでなかなか行けませんが…。ごちそうさまでした。



進来メン ¥700
伝説のマスター最寄駅 JR
千葉〜モノレール2号線「
穴川」(
千葉市稲毛区)
衛生感・落ち着き度 5
価格設定の適正度 8
料理の味・誠実度 10
好き度・リピート感 8
ラーメンデータベース
CLIC → https://ramendb.supleks.jp/s/9759.html進来軒 (中華料理 / 穴川駅、スポーツセンター駅、天台駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0