最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて2016.1松濤美術館


建築設計は、大御所・白井晟一 氏です。「静岡市立 芹沢銈介美術館 」などを設計しています。奇抜な曲面を取り入れたファサードですが、優雅さも同時に感じます。


「最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて」を観にきました。
1893(明治26)年に富山県射水(いみず)に生まれた石黒宗麿。曜変天目に惹かれ陶芸家を志した彼の、生涯を通じた飽くなき探究心、好奇心、研究の継続こそ敬服するべき見所です。
1955(昭和30)年2月15日、「鉄釉陶器」の技術が重要無形文化財として初の人間国宝に認定されました。この時、陶芸家では石黒の他に、富本憲吉、濱田庄司、荒川豊蔵が認定されました。すごいメンツ!いずれも説明不要の巨匠ですね。
弟子には清水卯一がいます。それもすごい…。
様々な技法を体得した、それぞれの時代の名作が展示されています。形も優雅であったり攻撃的であったり緊張感ありますが、見事なのは釉薬と絵文の技術。描き直しがきかない土の上に、クロッキーをサラッと描いてみたり、釉を掻き落としてみたり。しかもそれが、上手い。
とにかく圧巻です。一つひとつゆっくりとなめるように拝見します。指の感触や息づかいか感じられます。

彩瓷(さいじ)柿文壷 黒楽茶碗
黒釉刷毛目魚文平鉢 刷毛目指頭描茶碗